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猫の便秘|症状から治療法、自宅でできるケアまで獣医師が解説

2025.03.18

「愛猫が3日ほどウンチが出ていないが、病院に行った方が良いだろうか?」
「愛猫が便秘症だと言われたが、自宅でできることはあるだろうか?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?

猫の便秘は、単なる一時的な症状ではなく、重大な健康問題に発展する可能性がある症状です。

今回は、猫の飼い主様に
・便秘の原因
・どのような治療法があるか
・便秘の自宅でのケア
について解説します。
ぜひ、最後までお読みいただき、愛猫の便秘予防と対策にお役立て頂けますと幸いです。

便秘について

猫は基本的に1日1〜2回排便します。規則的な排便が認められず、3日以上便が出ない場合と、排便姿勢を取るにも関わらず便が出ていない場合は、便秘を疑って動物病院を受診するようにしましょう。

便秘の症状

一般的な便秘の場合

食事量が変わらないのに便の量が少なかったり、排便しようとトイレにいくものの便が出ない場合は便秘を示すサインです。便秘予備軍として、毎日排便していてもコロコロと艶のない便をする猫は注意が必要です。健常な猫の便は押せば容易に変形します。一方、便秘の猫の便はひびが入って押すと崩れてしまうのが特徴です。

病気からくる便秘の場合

病気による便秘の場合は、体重が減少して痩せてくることが特徴です。普段の硬い便と異なり便が柔らかくなったり、嘔吐など、他の消化器症状が認められることがあります。特に注意が必要なのは、腸や肛門の内側にできものがある場合で、便の表面に血液が付着していることがあります。これらの症状が見られた場合は、持病が隠れている可能性があるため、早めに動物病院を受診しましょう。

便秘が長く続くと

便秘が長引くと、便を出そうと踏ん張る姿をよく見かけるようになります。その影響で嘔吐が見られたり、食欲が低下したりすることもあります。さらに、結腸の粘膜が伸びきってしまい、便を押し出す蠕動(ぜんどう)運動が低下してしまいます。腸の動きが悪くなると便がより出にくくなり、便秘が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。このような状態を「巨大結腸症」と呼び、重度になると命に関わる危険な状態となる可能性があります。便秘の症状が見られた場合は、早めの診察と適切な治療が必要です。

便秘の原因

便秘の原因は多岐にわたります。代表的なものをいくつか解説します。

飲む水の量が少ない

最も多い原因の1つは、水分摂取量の不足です。猫は元々水を飲む量が少ない動物で、特に夏場などは体内の水分が不足しやすい状態になります。水分不足は腸の中の便を硬くする原因となるため、便秘の予防には水分補給が欠かせません。

外側から邪魔するものがある

事故による骨盤骨折や腹部内の腫瘤により、腸が圧迫されて便の通過が妨げられます。

結直腸内や周囲における妨げ

肛門周囲や直腸の炎症(腫瘤)が排便時の痛みを引き起こし、便秘を招くこともあります。痛みを避けようとして排便を我慢することで、さらに症状が悪化することがあります。

神経や筋肉の異常

腸の神経や筋肉が障害を受けると、腸の動きが低下します。代表的な病気としては、巨大結腸症、椎間板ヘルニア、脊髄損傷などがあげられます。

その他

その他の要因として環境変化に伴うストレス、グルーミングに毛玉の誤飲、服用している薬の影響などが挙げられます。

便秘の治療

便秘の原因となる病気が明らかな場合は、そちらの治療も同時に実施します。今ある便の除去と再発防止のための治療には、主に内服薬、食事療法、処置の3つのアプローチがあります。

食事療法

便秘の時に使用される療法食には、適切な食物繊維と消化しやすい原材料が含まれています。食物繊維には、「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、それぞれ便を柔らかくしたり、腸の動き(蠕動運動)を助ける働きがあります。これらがバランスよく配合されている療法食を普段から取り入れることで、便秘の解消につながります。下剤や内服が苦手な猫にも取り入れやすい選択肢です。水分を多く含んだ缶詰やパウチのフードを活用するのもおすすめです。

内服薬

下剤

下剤には様々な種類があり、症状に合わせて選択します。代表的な働きとしては、腸内の水分量を増やして便を柔らかくさせたり、大腸の筋肉を刺激して腸の運動を活発にさせ排便を促すことです。

胃腸薬

消化管の動きを助ける働きのある薬や、腸内細菌のバランスを整える整腸剤があります。便秘の原因に応じて選択されます。

院内処置

内服薬や療法食での反応が乏しい場合、次のような処置が行われます。

摘便

肛門から指を入れて、腹部をマッサージしながら結腸にある便をかきだします。

浣腸

便がとても硬い場合は肛門から生理食塩水や潤滑剤を注入し便を柔らかくし、出しやすくしますます。

これらの処置は痛みやストレスがかかる可能性があるため、鎮静剤を使用したり、数日に分けて実施される場合があります。

外科処置

便秘が慢性化して内科的治療では改善が見られない場合や、腸内に便が詰まって腸閉塞を起こしている場合には、外科的治療が必要になることがあります。

巨大結腸症では、腸の機能が著しく低下しているため、結腸の一部を切り取る必要がある場合もあります。

その他、便秘を起こす原因となる骨盤骨折や腫瘤による物理的な圧迫がある場合は、そちらの治療を行います。

まとめ

猫の便秘は放置するほど治療も大変になります。また1回の治療で完治することはなかなかなく、継続的なケアが必要になることが多いです。

あまりに長い期間、便秘を放置することで伸びきった結腸が元に戻らずに巨大結腸症になってしまうケースもあります。

便が硬くてコロコロしてる、食欲があるのに3日以上便が出てないなど気になることがありましたら、当院までご相談下さい。

監修:CUaRE 動物病院京都 四条堀川