「毎日忙しくて、愛犬の歯磨きをつい忘れてしまう」
「健康チェックをしようと思っているのに、気づいたらやらなくなっていた」
実は、これ…とてもよくあることなんです。

ある研究では、飼い主様の約24%が処方薬を指示通りに投与できていなかった と報告されています（1）。
つまり「続けることが難しい」のは、意志が弱いからではなく、誰にでも起こりうる自然なこと なのです。

この記事では、

• なぜ継続は難しいのか
• 続けるための“仕組み”の作り方
• 忙しい人でもできる習慣化のコツ

を、最新の研究と行動科学をもとにわかりやすく解説します。
無理なく続けられる方法ばかりなので、今日から取り入れられますよ。

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■ なぜ健康管理は続けるのが難しいのか？
研究では、継続できない理由として以下の3つが挙げられています（2）。

① 時間的な負担
1日数回の投薬やケアは、忙しいと後回しになりがち。

② 生活習慣の大きな変化
いつもと違うリズムを作る必要があり、続きにくい。

③ 必要性の理解不足
「なぜ必要か」が腑に落ちていないとモチベーションが続かない。
さらに、時間が経つと心配が薄れ、関心が下がる傾向も報告されています（2）。
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■ 継続できるかどうかは“意志”ではなく“仕組み”次第
研究では、以下が継続率を大きく上げると示されています（2,3）。

• 獣医師とのコミュニケーション
• 定期的なフォローアップ
• 共感的なサポート

つまり、
仕組みさえ整えば、誰でも続けられる。
これが大前提です。
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■ 続けられる仕組みの作り方
① 「いつ・どこで」を決める
行動は具体化すると習慣になりやすい（4）。

例：

• 歯磨き→夕食後のリビングで
• 投薬　→朝の支度中のキッチンで
• 体重測定→毎週日曜日の朝、洗面所で

既存の習慣にくっつける のが最大のコツです。
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② 環境を整えて“すぐできる状態”にする

例：

• 洗面所に歯ブラシを常備
• 食卓近くに投薬おやつ
• リビングにグルーミングセット
• スマホアプリで健康管理

人は“取りかかるまでの手間”が減ると、継続しやすくなります。
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③ 複雑さを減らす（とにかくシンプルに）

研究では、投薬回数が多いと継続率が下がることが明らかになっています（1,5）。

できる限り次のように簡素化を：

• 健康管理は3項目以内に絞る
• まとめてやる“健康管理タイム”を作る
• 投薬が大変なら「回数の少ない薬・注射剤」に相談
• 完璧ではなく“やれた日の積み重ね”に目を向ける

続けるコツ＝ “がんばらない仕組み”に変えること。
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■ 習慣化のコツ
① 小さく始める
いきなり全部やろうとすると挫折しやすい（4）。
まずは 1つだけ 始めるのが成功のポイント。
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② 記録をつけて“見える化”する（強力）
行動が見えると、達成感が生まれます（3）。

方法例：

• カレンダーに✅
• スマホアプリで体重・症状記録
• 写真で皮膚状態を保存
• ちょっとしたメモだけでも十分

「続いてる！」が一番のモチベーションになります。
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③ 成功体験を積む
健康管理が習慣化すると、観察力が上がり、
「最近元気がない」「水をよく飲む」などの変化に気づきやすくなります。

これが
早期発見 → 正確な診断 → 適切な治療
につながる、とても大切なプロセスです。

“小さな成功”が続くほど習慣は定着します（3,4）。
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■ 忙しい方のための時短テクニック
① 「ながら」ケア

• TVを見ながらブラッシング
• 散歩しながら耳や目のチェック
• 遊び時間に体を触って異常チェック
• 食事の準備中に投薬

“特別な時間”を作る必要がなくなります。
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② 家族で役割分担
研究では、複数人でケアする家庭ほど忘れにくい（3）。
誰かが気づけばフォローできます。
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③ テクノロジーを活用
• スマホのリマインダー
• 記録アプリ

忙しい人ほどデジタルツールと相性が良いです。
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■ モチベーション維持のポイント

① 目標を明確にする

• 「10歳になっても元気に走り回ってほしい」
• 「痛みのない生活を続けてほしい」

目的が明確だと継続しやすい（2,3）。
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② 動物病院と協力する（とても重要）
研究でも、
定期的なフォローアップ＝継続率を大きく上げる
と結論づけられています（2,6）。

気になることは遠慮せず相談してください。
生活スタイルに合った最適な方法を一緒に探しましょう。
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③ 完璧主義を手放す
「できない日があって当たり前」。
継続に必要なのは、完璧さよりも 適度な柔軟性（2,3）。
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■ まとめ

健康管理を続けるカギは 意志ではなく仕組み。
そのために必要なポイントは次の5つです。

• 行動のタイミングと場所を決める
• 小さく始める
• 記録して見える化
• 時短と役割分担
• 獣医師との協力体制

大切なのは「毎日完璧」ではなく、
“ゆるく・でも長く” 続けること。
もし続けられずに悩んだときは、いつでもどうぶつ病院京都 四条堀川にご相談下さい。
私たちは、飼い主様とどうぶつたちの健康を長く支えるパートナーです。

監修：
CUaRE どうぶつ病院京都 四条堀川
院長　吉田昌平
引用文献

(1)Adams VJ, Campbell JR, Waldner CL, Dowling PM, Shmon CL. Evaluation of client compliance with short-term administration of antimicrobials to dogs. J Am Vet Med Assoc. 2005;226(4):567-574.
(2)Talamonti Z, Cassis C, Brambilla PG, Scarpa P, Stefanello D, Cannas S, Minero M, Palestrini C. Preliminary Study of Pet Owner Adherence in Behaviour, Cardiology, Urology, and Oncology Fields. Vet Med Int. 2015;2015:618216.
(3)Wayner CJ, Heinke ML. Compliance: crafting quality care. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2006;36(2):419-436.
(4)Glanville C, Abraham C, Coleman G. Human Behaviour Change Interventions in Animal Care and Interactive Settings: A Review and Framework for Design and Evaluation. Animals (Basel). 2020;10(12):2333.
(5)Barter LS, Watson ADJ, Maddison JE. Owner compliance with short term antimicrobial medication in dogs. Aust Vet J. 1996;74(4):277-280.
(6)Lue TW, Pantenburg DP, Crawford PM. Impact of the owner-pet and client-veterinarian bond on the care that pets receive. J Am Vet Med Assoc. 2008;232(4):531-540.