2025.09.09
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京都の夏は全国でも特に厳しく、毎年多くの犬が熱中症で動物病院に運ばれてきます。
盆地特有の高温多湿な環境では、適切な対策が愛犬の命を守ることに直結します。
今回は効果的な暑さ対策をご紹介します。
京都は周囲を山に囲まれた盆地のため、熱がこもりやすい特徴があります。
このような環境では、犬の体温調節が追いつかず、短時間で熱中症を発症する危険があります。
犬の様子をよく観察し、以下の症状に気づいたらすぐに対処してください。
重度の症状が見られたら、一刻も早く動物病院へ連絡し受診して下さい。
熱中症の症状が出たら、体温を下げながら、一刻も早く動物病院を受診することが大切です。熱中症は時間が経つほど症状が進行し、適切な処置が遅れると最悪命を落としたり後遺症が残る程危険な状態です。
慌てずに、以下の手順で対処しましょう。
エアコンの効いた室内や風通しの良い日陰に移動させます。
太い血管が走っているこれらの部位に濡らしたタオルを当てて冷やしたり、全身に常温の水道水をかけて体温を下げます。保冷材や氷水などで急激に冷やすと、血管が収縮し、熱を逃がしにくく逆効果ですので、避けてください。
意識がはっきりしている場合のみ、少しずつ水を与えます。意識がない場合は無理に飲ませないでください。
これらの犬種は呼吸による体温調節が苦手なため、特に注意が必要です。
体に熱がこもりやすいため、こまめなブラッシングと冷却対策が大切です。
高齢犬は高温多湿に関わらず熱中症になるリスクがあります。認知機能が低下している高齢犬は、水飲み場が分からなくなっていたり、隙間に挟まって動けなくなったりと、体温が上がったり脱水症状を起こしやすい状態に陥りやすいからです。
肥満犬は首回りの脂肪があつく、呼吸がしずらい状態にあります。
呼吸状態の悪化を招きやすく、体温上昇に直結し、かつ脱水状態を引き起こすような病気を患っている場合も、熱中症の注意が必要です。
夏を健康に、安全に過ごすための対策をいくつか解説します。
犬の熱中症対策として、室温23~25℃、湿度50%前後に保つのが理想とされています。犬種によって異なりますが、私達人が少し肌寒いと感じる位が適温です。散歩や出先から帰宅直後にパンティングしている場合は、暑さで体力を消耗している可能性が考えられます。空調の設定温度をもう少し下げるなど調整しましょう。
暑さ対策として販売されている冷却グッズを活用する方法もおすすめです。
散歩は、早朝や夕方~夜など涼しい時間帯に出るようにしましょう。日が沈んでも、アスファルトの上にしばらく熱が残ります。散歩前に、アスファルトに手の甲を5秒当てて、熱さを確認してから出るようにしましょう。
外気温よりも高くなる車内には犬を残していくことは、熱中症のリスクを高め、非常に危険です。特に夏場は短時間でも犬を放置することは避けましょう。
京都の厳しい夏を愛犬と安全に過ごすには、日頃からの準備と観察が大切です。
熱中症は予防できる病気ですが、発症すると命に関わります。少しでも心配なことがあれば、遠慮なく動物病院にご相談ください。
愛犬の健康を守るために、今日からできることから始めていきましょう。
監修:CUaRE 動物病院京都 四条堀川