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犬の巨大食道症、誤嚥性肺炎

2023.06.12

こんにちは!どうぶつ病院京都 四条堀川、獣医師の柏原です。

京都も6月になり、梅雨入りし、ジメジメした日が続いています。わんちゃんの体調も崩しやすい時期なので、温度管理、湿度管理などしっかりしていきましょう!

さて、本日紹介させてもらうのは巨大食道症のわんちゃんです。

今回吐き気で来院されましたが、よく話を聞くと「嘔吐」ではなく「吐出」でした。

(嘔吐と吐出の違いはこのブログの一番下に書いているので興味ある方は見てみて下さい)

 

レントゲン検査で巨大食道の診断がつき、誤嚥性の肺炎も起こしていました。

 

巨大食道症とは、食道がなんらかの原因で大きく拡張してしまい、動きが悪くなり、食道の中に水やフードが残ってしまう病気です。食道にものが残ってしまう気持ち悪さで吐出が頻繁に起き、誤嚥性肺炎を同時に起こし、命を落としてしまうことも多いです。

 

今回のダックスちゃんも、途中意識がなくなるくらい肺炎が重症化しましたが、酸素室で入院管理後、元気になり無事退院しました!

肺炎が治っても巨大食道は残ってしまうので、一生付き合っていく病気になります。

巨大食道症を持っている子は食後、食事を食道に残さず胃に流し込むためにわんちゃんを15分ほど立たせておく必要があります。

退院後はお母さんお手製の箱の中での立食や食後の立位は専用ベッドを作ってくれて上手くコントロールが出来て、お母さんの愛で今では嘔吐や吐出は全くありません!

 

立ってご飯を待っているワンちゃん

 

食べた後、専用ベッドで寝ているワンちゃん

 

今後も病気と付き合っていきながら一緒に頑張っていきましょう!

 

 

※嘔吐と吐出の違い

吐出

食べた物や飲んだ物が胃に入る前に排出されてしまう現象。口の中や咽頭、食道の疾患が原因。未消化物が出てくる。前触れ無く突然吐く(噴射)。お腹に力が入らない。

嘔吐

食べたものや飲んだものが胃や腸から排出される現象。様々な程度の消化物を吐く。吐くときはお腹を強く動かしながら吐く。