2025.02.11
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こんにちは。
愛犬が自分や他の犬の便を食べてしまう行動にお困りではありませんか?意外にも自分の便を食べる犬は多く、診察でも子犬の食糞についてご相談をいただくことが少なくありません。愛犬の健康やしつけへの影響を心配される方も多いでしょう。
食糞は成長と共に見られなくなることが多いですが、いくつになっても食糞を続ける犬もおり、原因は様々です。
そこでこの記事では、犬の飼い主さんに向けて、
についてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬との健康で楽しい生活にお役立てください。
食糞とは、動物が排泄した便を食べる行為のことを指します。動物にとっては、排泄物を食べることが必ずしも異常ではないこともあります。例えば、親犬が子犬の陰部を舐めて排泄を促す行動などがあり、便を口にすることは一部の動物にとって自然な行動でもあります。
しかし、愛犬が便を食べるなんてとびっくりしますよね。なぜ犬は食糞してしまうのでしょうか?犬以外の動物ではどうなのでしょうか?
食糞は犬だけに見られる行動ではありません。他の動物でも食糞することがあります。例えば、ネズミやハムスターなどのげっ歯類、特にウサギは食糞をしなければならない動物として知られています。ウサギは食糞によって、腸内で消化不良を起こした栄養素を再吸収するため、生理的に必要な行動です。
一方で、猫は犬に比べて食糞をあまりしません。猫はきれい好きな動物であり、排泄物を隠す本能を持っています。そのため、排便後には砂などの中に隠す行動を取ることが多く、食糞の習慣はあまり見られません。
犬が食糞をする理由は、ウサギやネズミとは異なり、生理的な必要性からではなく、さまざまな原因によって引き起こされることがほとんどです。その原因について詳しく解説します。
犬が食糞をする理由をいくつかのカテゴリーに分けて解説します。
犬が食糞をする一因として、栄養不足や消化不良が考えられます。食糞は犬が体内で足りない栄養素を補おうとする自然な反応の一つです。
食事の量や栄養が不足している場合、足りない栄養素やカロリーを補おうと、便を再び食べることがあります。
他にも、寄生虫に感染している場合、食糞をすることがあります。体内の栄養を寄生虫に取られることで犬自身が栄養不足になるためです。
子犬は消化能力が未発達なので、便の中に未消化のフードや匂いが残っていることがあります。子犬にとってそういった便は魅力的です。そういった便を食べ物と勘違いして食べてしまうことがあります。
成犬や老犬では消化不良が病気の場合もあるため、便の量が多かったり、1日に何度も排便する場合は早めに動物病院を受診しましょう。
犬がストレスや不安を感じると、食糞をすることがあります。
長時間一人で過ごすことが多い犬や、飼い主との距離感が広がった犬は、ストレスを感じやすく、退屈な気持ちを紛らわせたいときにも食糞をします。自分の便をおもちゃ代わりにして遊ぶといった話もよく耳にします。
引っ越しや新しい犬猫の迎え入れなど、環境が変わった場合、犬は不安やストレスを軽減しようと食糞の行動に出ることがあります。
食糞が習慣化することもあります。犬が食糞をすることで何らかの反応を得たり、楽しんだりしている場合です。
習慣としての食糞:犬が幼い頃に食糞をしていた場合、これが習慣化していることがあります。同居犬や他の犬が食糞をしているのを見て学習し、真似をすることもあります。
飼い主の反応:犬の食糞を見て驚いたり、すぐに駈け寄ったりしていませんか。犬は「食糞をすれば飼い主の反応が得られる」と学び、繰り返し食糞を行うことがあります。
「愛犬がうんちを食べてしまって健康に害はないの?」と不安に思う飼い主さんも多いかもしれません。結論として、健康な犬が自分や他の健康な犬のうんちを食べても、重大な健康被害が起きることは少ないです。
ただ、注意が必要なケースもあるため、以下のようなことがある場合は注意して下さい。
こうした症状がある場合、何らかの消化器疾患や感染症の可能性も考えられるため、早めに動物病院で相談しましょう。
食糞行為を続けると、次第に外に落ちている危険な排泄物を食べるようになるリスクもあります。そのため、できれば早い段階でやめさせてあげたほうがいいでしょう。
犬がうんちを食べるのにはさまざまな理由がありますが、実はその一部は飼い主さん自身の行動や環境が原因となっていることもあります。
「どうして愛犬はうんちを食べるのだろう?」
その理由を理解しようとすることは、食糞行為をやめさせる第一歩です。
すべての犬の食糞を確実にやめさせる方法はありませんが、原因に合わせた対策を取ることで、改善するケースもあります。いくつかの対策法を紹介しますので、複数を組み合わせながら愛犬に合った方法を見つけていきましょう。
犬が排便をしたら食糞をする前に片付けましょう。犬がうんちに余計に執着しないよう、大好きなおやつやおもちゃなどでうんちから離れた場所へと誘導します。おいでと呼びかけても良いですね。
食糞をする姿を目にすると思わず、声を上げたくなりますが、必要以上に興奮させないよう黙々と片付けましょう。
お留守番などで1人で過ごす時間が長い場合は、犬が安心して過ごせる環境を提供することも大切です。ひとり遊びができる知育玩具はおすすめです。コングなどの知育玩具におやつを入れることで、飼い主さんがいない時でも楽しく遊べる環境を作れます。
日々の生活が忙しいと、なかなか時間を取るのが難しいかもしれませんが、少しの時間でも愛犬と一緒に遊ぶことを心がけてみてください。犬にとって飼い主さんとの触れ合いは大きな安心感となり、ストレスの軽減にもつながります。一緒に遊ぶ時間は、愛犬にとってだけでなく、飼い主さんにとっても癒しのひとときになることでしょう。
もしかしたらフードが原因かもという方は食事内容を見直すことで、食糞が改善する可能性があります。
1日に必要な摂取カロリーに合わせて十分量が取れているでしょうか。適切なカロリーを摂取しているにもかかわらず食糞をしている場合、空腹時間が長いことが原因となっている可能性があります。その場合は、1日の総食事量はそのままにして、食事の回数を増やすことで犬の満腹感が保たれやすくなります。
犬はライフステージによって必要な栄養が変わってくるため、子犬用や成犬用、老犬用や全年齢対応などライフステージに合ったフードを選ぶようにしましょう。
消化が不十分な場合は、消化しやすいフードの活用もおすすめです。
特に子犬の場合は、便に虫のようなものがついていなくても寄生虫に感染している場合があります。新しく犬を迎え入れられた場合や、体重が増えない、下痢・嘔吐が続くなど気になる症状がある場合は1度便検査を含めた検査をおすすめします。
苦味スプレーやシロップも役立つ場合があります。これらは便に嫌な味を加えることで、犬が食べたがらなくする効果があります。使い続けると臭いや味に慣れてしまって効果を示さなくなる場合があるため、食糞する原因対策と併用して行うことをおすすめします。
食糞する原因の1つに消化不良があります。便が未消化にならないよう腸内細菌のバランスを整えてくれたり、便の臭いを軽減するサプリメントもおすすめです。
食糞は1度習慣になると直すのが難しい行動のため、根気強く向き合う必要があります。病気が隠れていたらと心配になることもありますよね。愛犬の困った行動や心配な症状があればお気軽に当院までご相談下さい。
監修:CuaRE 動物病院京都 四条堀川