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猫のトリミングについて|猫のトリミング事情やカット方法について解説

2024.07.30

こんにちは。どうぶつ病院 京都 四条堀川 獣医師尾関康江です。
「飼い猫のトリミングはした方が良いのだろうか?」
「長毛の猫を飼っていて毛玉ができやすいがトリミングは可能だろうか?」
「トリミングはどんな風な仕上がりになるの?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?

今回は、猫の飼い主さんに

  • トリミングが必要な状態
  • トリミング実施の際の留意点

について解説したいと思います。

是非、最後までお読みいただき、飼い猫のトリミング事情の参考にしていただければ幸いです。
尚、本ブログの内容は動物病院 京都 グループで実施の際に限られますのでご了承下さい。

猫のトリミング

トリミングとはハサミやバリカンを使って動物の毛をカットすることです。それ以外に、シャンプー、ブラッシング、爪切り、肛門腺絞りなどのお手入れはグルーミングと呼ばれます。日本では、両方合わせてトリミングと呼ぶことが多いようです。

トリミングの必要性

猫にトリミングは必要なのでしょうか?
実際のところ、猫はとても綺麗好きでいつも自分の体を毛づくろいをして舐めて清潔に保っているため、トリミングは必要ないことが多いです

ただし、肥満気味な猫や、長毛種の猫は体中に毛づくろいが行き届かず、毛に汚れが残ったり、もつれや毛玉になってしまいます。また毛づくろいで飲み込んだ毛によって、食欲が落ちたり、吐き戻す猫もいます。このため個体によってはトリミングが勧められます。

具体的なトリミングのメリット・デメリットを解説します。

トリミングのメリット

暑さ(熱中症)対策

猫の毛には、外気温との間に毛の厚さ分だけ空気の層があります。寒さや暑さの影響から体を守っています。長毛種や毛の密度が多い猫の場合は、暑い時よりも寒い時に体温を保つ傾向があります。暑い時にトリミングをすることで通気性を良くしたり、お腹に熱がこもるのを防ぐことができます。

猫は体温調節が得意な方ですが、気温が自分の体温よりも高くなると、体温を下げることができにくくなります。トリミングをすることで熱中症のリスクを下げることにつながる可能性があります。

お手入れが楽になる

猫の抜け毛(特に換毛期)は飼い主さんにとってお悩みの1つになっていることと思います。トリミングをすることで毛のボリュームが減り、日々の掃除が楽になったり、猫アレルギーがある方の症状が和らぐ場合があります。

皮膚病の予防につながる

毛の汚れを放置しておくと雑菌が繁殖します。毛玉ができるとどんどん大きくなり皮膚から離れなくなります。どちらもひどくなると皮膚炎になる可能性があります。トリミングで毛の長さが短くなると、ブラッシングしやすくなり、毛玉ができにくい時期を長くすることが可能です。

また、皮膚が見やすくなることで皮膚の異変に気づきやすくなります。

毛玉対策

猫が毛玉を吐くのは正常な生理反応ですが、体に負担はかかります。また吐きだせないくらい大きくなると胃や腸で詰まる毛球症になる可能性があります。トリミングをすることで毛玉を吐く回数や量を減らすことができます。

トリミングのデメリット

日光性皮膚炎のリスクが上がる

日光性皮膚炎とは被毛の少ない皮膚や色素が薄い皮膚に、紫外線が当たって起こる皮膚炎です。繰り返し紫外線にあたることで発症します。皮膚炎が進行すると扁平上皮癌など皮膚の悪性腫瘍になる可能性があるため注意が必要です。

日向ぼっこをよくしたり、外出する猫は施術前に獣医師にご相談下さい。

猫にストレスがかかる

猫にとって長時間拘束されたり、バリカンやハサミを当てられることがストレスになる可能性があります。ストレスを感じた経験によりその後病院が苦手になったり、再度トリミングをすることが難しくなる場合があります。

当院では猫のストレスや負担を考えて、原則鎮静下でトリミングを実施しています。鎮静に関する詳細は以下でご説明します。

被毛が生えそろわない場合がある

トリミングの後、被毛の質が変わったり、生えそろうまでに時間がかかる場合があります。また、トリミングをした後皮膚を気にして、毛づくろいを頻繁にする猫もいます。毛の生え方がまばらになり生えそろうまでに半年から1年程かかります。

カットについて

トリミング実施場所

トリミングは、当院ではなく動物病院 京都(本院)か動物病院 京都 ねこの病院での施術となります。あらかじめご了承下さい。

カット方法

動物病院 京都ではサマーカットとよばれるカットの方法でトリミングを行っております。デザインカットは承っておりませんので、ご了承下さい。基本的には、バリカンで全身を短くし、首または肩の上の毛と尻尾は残します。バリカンは2mmの刃を使用しています。顔周りと尾の毛を残した部分はハサミで丸く整えて仕上げます。

お腹周りだけ、お尻と手足だけといった部分カットも実施しておりますので、ご希望の方はご相談下さい。

トリミング前↓

トリミング後↓


(撮影協力頂きましたねこちゃん ありがとうございました。)

鎮静

当院でのトリミングは、猫と施術者双方の安全面や実施時間を考慮し鎮静剤を使用する場合があります。希望される場合は事前に動物病院を受診頂き、獣医師とご相談頂き方針を決定させて頂きます。

まとめ

猫のトリミングは基本的に必要ない場合がほとんどですが、猫によっては実施することでより快適に生活できる場合があります。ご希望される飼い主さんは事前にご連絡頂き、ご相談下さい。

どうぶつ病院 京都 四条堀川
獣医師 尾関康江