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2025.09.30
目次
愛猫の健康状態を日常的にチェックする方法として、尿の色を観察することは非常に重要です。猫は体調不良を隠す習性があるため、飼い主さんが尿の変化に気づくことで、病気の早期発見につながることがあります。
この記事では
について解説します。
健康な猫の尿は、薄い黄色から濃い黄色の範囲内であることが正常です。具体的には以下のような特徴があります。
尿の色は水分摂取量や時間帯によって変化します。朝一番の尿は濃縮されているため濃い黄色になりやすく、水をたくさん飲んだ後は薄い黄色になる傾向があります。
猫の尿の色が変わった時に、「何か病気が隠れているのか?」ということが心配ですよね。猫の尿の色ごとに考えられる病気とその他にチェックすべきポイントについて解説します。
最も警戒すべき尿の色変化の1つです。血尿の可能性が高く、以下の疾患が考えられます。
泌尿器疾患
その他
尿がうっすらピンク~赤色に見えるのが特徴です。一部赤かったり、血の塊として見える場合もあります。「何度もトイレに行っている」「いつもより猫砂の塊が小さい」「陰部を気にしている」といった症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
茶色や褐色の尿は、古い血液や筋肉の破壊物質が混入している可能性があります。
考えられる疾患
茶色の尿も緊急性が高い症状のため、すぐに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
水のように透明な尿や極端に薄い尿は、腎臓病や糖尿病、尿崩症の可能性があります。いつもよりよく水を飲み、猫砂の塊も大きくなっている場合は注意が必要です。
腎臓病や尿崩症の初期は、食欲など他の症状がなくても病気が進行している場合があります。飲水量に異常を感じた時点で、早めに受診するようにしましょう。
尿が白く濁ったり、きらきらしている場合は、膀胱炎や尿石症が考えられます。病気が進行すると腎臓へのダメージも心配されるので、早めに受診するようにしましょう。
尿の色が異常に濃い場合は、朝1番の尿であるか、脱水が考えられます。食欲元気があり十分な飲水ができていたら様子を見る猶予がありますが、他の症状が出ている場合は注意が必要です。
猫の尿の色がいつもと違う時に、緊急性の高い危険な状態ではないかまず確認しましょう。尿の色を写真に保存しておくと診察時に参考になります。
犬に次のような様子が見られる場合は、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。場合によっては、危険な状態である可能性も考えられます。
猫の健康状態を把握するためには、尿の色だけでなく、排尿に関する様々な要素を総合的に観察することが重要です。以下の4つの観察ポイントを日常的にチェックすることをおすすめします。
正常な猫の1日の尿量は、体重1kgあたり約20〜30ccとされています。
尿量の変化で疑われる疾患
猫の尿量を測定するのは難しいですが、
ことで、ある程度の尿量を確認できます。日頃からチェックする習慣をつけておくと、変化に気づきやすくなります。
通常、猫の尿には特有のアンモニア様の臭いがあります。臭いがしなくなってきたら、腎臓病の可能性があります。甘い香りがする場合は、糖尿病、異常に強い刺激臭の場合は細菌感染の可能性が考えられます。
健康な成猫の排尿回数は、通常1日に1〜3回程度です。この回数に大きな変化がある場合は注意が必要です。
特に雄猫で排尿ポーズを取っても尿が出ない場合は、緊急事態として即座の受診が必要です。
排尿時の猫の行動や表情も重要な健康指標です。普段と異なる様子が見られた場合は注意深く観察しましょう。
特に注意が必要な症状は、
これらの行動は、痛みや不快感を伴う泌尿器疾患のサインである可能性があります。
Q1. 猫の尿の色と見分けがつかない場合はどうすれば?
A. 猫の尿は、飲水量や気候などによっても変化します。
しかし、尿の回数や色、量などがいつもと明らかに違う場合にはなるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。
その際、写真撮影をしたり、猫砂を持参すると診察時の参考になります。
Q2. システムトイレ以外でも観察は可能?
A. はい、可能です。一般的な猫砂でも以下の方法で観察できます:
Q3. 多頭飼いの場合、どの猫の尿か分からない時は?
A. 以下の方法で個体識別が可能です:
愛猫の尿の色をチェックすることは、病気の早期発見につながる重要な健康管理方法です。日頃から尿の色や排尿時の行動などチェックする習慣をつけておきましょう。
特に中高齢の猫では腎疾患のリスクが高まるため、定期的な尿チェックがより重要になります。異常を発見した際は、特に尿が全く出ない場合は緊急事態として、速やかに動物病院を受診してください。
日常的な観察と記録を習慣化し、気になることがあれば早めに獣医師に相談することで、愛猫の健康を長期にわたって守ることができます。
監修:CUaRE 動物病院京都 四条堀川